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名刺や封筒の見積りの話題が同窓会であがりました

2011/12/02 4:49 pm

同窓会を開きたいね、と妻が言った。夫とは学生の頃に付き合い始めて大学を卒業した際に結婚した恋愛結婚で、級友に会いたいと思えばまず第一に会える事ができる人物がいる。夫だった。能動的な妻に対し、冷静が服を着たような夫は静かに答える。名刺や封筒の見積りは。夫は日頃から冷静沈着であり、物事の結果よりも至るまでの過程に重きを置いていた、一言で言えば現実的な性格であった。


この夫婦は結婚してからも地元を離れずに慣れ親しんだ土地で生活を営んでいたが、ぱっと思いつけない程にかつての級友は皆この地を離れていた。もしかすれば忙しい日々の中であの学生生活の事は忘れられているかもしれない。夫は考える。会社で使っている自分の名刺であれば名前も連絡先も身元も保証され、裏は無地であったから妻が一言二言書けば思い当る記憶も出てくるだろう。名刺だけではとても郵便物には分けられないので封筒入りにするか。名刺や封筒の見積り金額がいくらになるかは分からないが、丁度会社の名刺も数が少なくなっていた所だ。


しかし仮に招待状を送り届けた所で未だ充分に人が集まれる会場の確保もできてはいないし、もしかしたら連絡の付かない者がでてくるかもしれなかったが、先程こぼれた名刺や封筒の見積りという言葉に妻は現実味を感じたらしく、目を輝かせていたので夫は沈黙を守った。妻は、封筒はどんなデザインにしようかしら、と一度しか使わない筈の代物に心を弾ませていた。